12月19日、最高裁は、著作権法違反幇助の罪に問われていたファイル共有ソフト「Winny」開発者の金子勇氏に対する検察側上告を棄却し、金子氏の無罪が確定しました。
IT業界に衝撃が走った2004年の京都府警による逮捕。著作権法違反幇助という罪名については、「では、殺人に使われた包丁をつくった職人は逮捕されるのか」という漠たる疑問と不安を業界に与えました。
包丁は野菜を切るのにも使えますし、使い方によっては人を傷つけることもできます。極端な話ですが、それではGoogleやYouTubeの著作権法違反幇助は、どの程度のものになるのでしょう。
かつて、著作権保護能力が低いとされたMP3対応の携帯オーディオプレーヤーでアップルはソニーを打ち負かし、その後、iPhoneやiPadを開発して、世に送り出しました。何か通じるものがあるのではないでしょうか。
金子氏は、今、得意のプロトコル技術を生かして、超高速ファイル転送ソフト開発ベンチャー、Skeedの社外取締役として活躍しています。
「道具をつくる者」までが逮捕された事実は、今後、さまざまな角度から検証が必要です。(安藤章司)
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Skeed ファイル転送速度30倍! 独自プロトコルで勝負をかけるメールマガジン「Daily BCN Bizline 2011.12.22」より