〈一般的な解釈は…〉システムを移行・変換する作業のこと。

 英語の「マイグレーション(migration)」とは、「移住」や「移動」といった意味をもつ言葉である。IT用語としての「マイグレーション」とは、コンピュータシステムの再構築にあたって、システムを新しい環境に移行する作業のことをいう。マイグレーションを行うことによって、システムを完全に置き換えるのではなく、既存のITリソースを活用してシステムを刷新することができる。

 システムのマイグレーションには、さまざまなやり方がある。基幹システムをOSが異なる新しいプラットフォームへ変換するケースや、UNIX向けに開発されたプログラムをWindows環境に移植したり、データベース(DB)のバージョンアップに伴ってデータを移行するなど、マイグレーションが指す作業の領域は幅広い。また、汎用機であるメインフレーム(=レガシーシステム)を中心に構築したシステムをUNIXなどのオープンシステムに移植することを、「レガシーマイグレーション」という。

 メインフレームのシステムは、ソフトウェアのライセンス料など維持費用が高額なので、高性能でありながら低価格のUNIXシステムやWindowsシステムへの移行によって、維持コストの削減を図ることができる。リーマン・ショックによる不況をきっかけとして、ユーザー企業がこのようなメリットが生まれるとの認識を高めており、マイグレーションの需要が拡大している。

 富士通やNEC、日本IBM、日本ユニシスなどのITベンダーが、マイグレーションを行うためのツールやサービスを提供している。マイグレーションを支援するサービスのなかで、ソフトウェアの現行コードを新しいプラットフォーム用のコードに変換するものが多い。