いまさら聞けないキーワード

<いまさら聞けないキーワード>VDI

2012/06/28 15:26

週刊BCN 2012年06月25日vol.1437掲載

〈一般的な解釈は…〉デスクトップ環境を仮想化し、サーバー上で集中管理する仕組み。

 「VDI」とは、「Virtual Desktop Infrastructure」の頭文字をとった用語。日本語では、「仮想デスクトップインフラストラクチャ」となる。略して「仮想デスクトップ」と呼ぶことが多い。VDIは、ユーザー企業で社員が使うデスクトップ環境を、仮想化技術を用いてサーバー上に集約する仕組みを指している。

 そもそも仮想化とは、サーバーなどの物理的なIT資源を抽象化し、統合または分割するテクノロジーを指している。VDIは、OSやアプリケーションをパソコン自体にインストールする従来の方式に対して、仮想化することによってOSやアプリケーションをサーバーで集中管理し、社員個々に向けては仮想のデスクトップ環境をつくる。社員は、クライアント端末からネットワークを通じてサーバーに接続し、デスクトップ画面を呼び出して操作する。

 VDIのメリットとして、サーバー上で集中管理することによって、ソフトウェアの追加や変更など、IT資源の運用管理が容易になることが挙げられる。また、情報の処理をすべてサーバー側で行うので、クライアント端末は表示や入力といった簡素な機能を備えたもので済む。つまり、ハードウェアの導入コストを抑えることができるわけだ。

 ITベンダーが提供するVDIサービスでは、ベンダーのデータセンターに設置したサーバーを利用してデスクトップの仮想環境をつくることができる。震災などによって自社が被害を受けても、デスクトップ環境を使い続けることが可能だ。そのことから、VDIは東日本大震災以降、BCP(事業継続計画)ソリューションとして注目を浴びている。

 なお、VDIとほぼ同じ意味で、「DaaS(Desktop as a Service)」という用語がある。
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