シマンテック(河村浩明社長)が、仮想デスクトップ基盤(VDI:Virtual Desktop Infrastructure)の戦略を発表した。インターネットの発展によって、クラウド・仮想化、モバイル、ソーシャルメディアといったさまざまな変革が起き、これまで個人が主に利用していたiPadなどの多様なデバイスやアプリケーションを企業の業務で利用する「ITのコンシューマ化」が進んでいる。これを実現する技術の一つに、アプリケーションの仮想化を含むVDIがある。

 シマンテックは、セキュリティとシステム管理によって「ITのコンシューマ化」を可能にする技術に力を入れている。石崎健一郎・執行役員 マーケティング本部長は「アプリケーション仮想化は重要。VDIがなければ、個人PCで業務を行うとき、個人利用と業務利用をうまく切り分けて管理することができない」と語る。

石崎健一郎・執行役員 マーケティング本部長

 デスクトップシステムには、「デスクトップPC」や「モバイル/ノートPC」など、1ユーザーに一つの物理システムを割り当てる分散型と、「シンクライアント」「デスクトップ仮想化環境」「ブレードPC」など、データセンター側でデスクトップ環境を集約管理するさまざまな実行基盤がある。シマンテックは、「デスクトップ」「アプリケーション」、ユーザーの各種設定情報を管理する「プロファイル」「データ」などのエンドポイントにフォーカスして仮想化技術を提供。「プラットフォームに関係ないベンダーニュートラルな環境を実現する。ユーザーの役割に応じたルールに則って、デバイスや場所に関係なく、どこでもリソースが利用できる」(ベイ キサング・プロダクトマーケティングマネージャ)という。

ベイ・キサング・プロダクトマーケティングマネージャ

 シマンテックは、エンドポイント仮想化製品群として「Symantec Endpoint Virtualization Suite(SEV)」を販売している。これによって、情報をハードウェアから切り離し、可用性、コンプライアンス、セキュリティを担保した情報中心のシステムを構築することが可能になる。

 「SEV」は、標準コンポーネントのアプリケーション仮想化製品「Symantec Workspace Virtualization(SWV)」と、オンデマンド配信とライセンス管理を実現するソリューション「Symantec Workspace Streaming(SWS)」、日本未発売のリモート接続管理製品「Symantec Workspace Corporate/Remote」の3製品で構成する。

 「SEV」「SWS」の最新版は、Internet Explorer(IE)6に対応。シマンテックの提供するアプリケーション仮想化は、OSとアプリケーションの間にエージェントを入れて透過的な仮想レイヤーを作成することで、OSに影響を与えることなくアプリケーションを実行するができる。アプリケーション同士やバージョンの競合をなくし、アプリケーション同士のやりとりや制御ができる。ユーザーは、アプリケーションが仮想化されていることを意識せずに使うことができるという。

 いま、企業ではWindows 7への移行が進んでいる。Windows 7はIE6をサポートしていないが、一方でIE6で動作するように作り込まれた業務アプリケーションも多く存在する。今回、IE6に対応したことで、Windows 7上でIE6、IE8を同時実行することが可能になった。シマンテックでは、コミュニティサイト「Symantec Connect」で、IE6を実行するために必要な定義ファイルを提供している。(鍋島蓉子)