サービスの充実で、利用者が増えているパブリッククラウド。IDC Japanによれば、国内パブリッククラウドサービス市場は、11年に前年比45.9%増の662億円、12年には1000億円規模になる見込みです。個人だけでなく、SOHOや企業の部署単位での利用も増えています。例えばオンラインストレージは、さほどコストがかからず気軽に使うことができます。
こうなってくると、ストレージ機器を社内に置く必然性が薄れてきます。オンライン上でデータを共有するので、印刷の機会は少なくなり、極端な話、プリンタもいりません。パブリッククラウドの隆盛とともに、一般オフィスへのハード販売はますます厳しくなるでしょう。
そこで、最近盛んになってきているのが、クラウドサービスの普及を逆手に取ったサービスです。例を挙げれば、プリンタやスキャナなどとクラウドサービスの連携です。オンラインストレージ上のデータを取引先でプリントアウト。紙でもらった資料をスキャンしてオンラインストレージ上で保管。どちらもスマートフォンやタブレット端末のアプリで、簡単に実現します。これによって、プリンタやスキャナが売れ、さらにはスマートフォンやタブレット端末の販売にもつなげるのです。
新たな価値の付加が、ハード販売を活性化します。(佐相彰彦)
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<クラウドサービスの新潮流>スキャナ連携でワークスタイルを変革 スマートデバイスの有効活用もメールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.7.30」より