▼米アップルが発表した「iOS 7」のユーザーインターフェース（UI）には賛否両論あるが、どちらかといえば、マイナスの声が多い。アップル製品に対する世間の意見としては珍しく、「デザインがよくない、格好が悪い」と。

▼iOSのデザイン担当責任者は、「iOS 7」で交代した。これまでiOSの責任者だったスコット・フォーストール氏がアップルを去ったことで、ハードウェアのデザイン担当であるジョナサン（ジョニー）・アイヴ氏が兼務することに。「Macbook Air」や「iPhone」「iPad」をデザインしたアイヴ氏がソフトもつくるというのだから、アップルファンの期待は大きかった。

▼iPhoneの誕生以来、最も変わったUIの印象は「質素」。装飾を省き、派手さが消えた。アップルがいう「フラットデザイン」のUIは、この秋にユーザーの手元に届く。ソフトのUIは、ユーザーが使って本当の評価を下す。実際に操作したユーザーは、どんな感想を抱くのだろうか。第一印象でユーザーを驚かせ続けるアップルが、珍しく今回は苦戦している。事前の低い評価を覆す「使いやすさ」が待っているのか。ソフトメーカーとしてのアップルの力が試される。（鈎）