『週刊BCN』の「営業マネージャーたちの最前線」では、IT企業で奮闘している営業リーダーに、営業現場での様子やマネージャーとしての工夫などを語っていただいています。ここでは、紙面では掲載しきれなかったエピソードをご紹介します。 *「営業マネージャーたちの最前線」本編は『週刊BCN』1516号(2月3日号)に掲載しています。ぜひご覧ください。

[語る人]

●profile..........
松井 克(まつい まさる)
 IT以外の業界で、9年間、営業職を務めた後、2008年にトランスウエアに入社。法人営業部でパートナー/エンドユーザー向けのセールスを担当。メール誤送信防止ツールなど担当商材のクラウド化を営業としてリードし、クラウド製品の販売体制を一人でつくり上げた。12年10月に、法人営業部の課長に就任。

●所属..........
営業本部
法人営業部
課長
●担当する商材.......... Google Apps/Office 365と連携したクラウド型のメール誤送信対策とメールアーカイブ
●訪問するお客様.......... Google Apps/Office 365のリセラーやユーザー企業
●掲げるミッション.......... クラウド商材の売上比率を引き上げること
●やり甲斐.......... 新しい分野を開拓し、そこで成果を出す
●部下を率いるコツ.......... 全員が楽しく、生き生きと仕事ができる環境をつくること
●リードする部下.......... 4人

 クラウド型のメール誤送信ツールやメールアーカイブを担当する僕のチームは、販売代理店のほかに、エンドユーザーの企業も訪問して製品を訴求している。部下たちに「常に10個はカバンに入れて持っているように」と言っているのは、箱に当社のロゴやイメージキャラクターを記したレトルトカレーだ。カレーは、ほとんどの人が好きな食べもので、ボールペンなどと比べると斬新で印象に残りやすいノベルティ。僕や部下たちは、商談の最後にカレーを渡して「えっ、なんで?!」と先方を驚かせることで、ユーザー企業での認知度向上を狙っている。

 「カレー作戦」だけでなく、われわれは積極的にマーケティング施策を打つことによって、販社が製品を売りやすい環境をつくっている。実際に、こうしたマーケティング活動が実を結び、販売パートナーとは密な関係を構築できている。例えば、当社の製品が対応しているウェブアプリケーション群「Google Apps」のトップ販社で、約3000人の営業パーソンを走らせているパートナーに、僕の携帯番号を教え、「案件があったら、いつでもご連絡ください」と伝えている。そして実際に、一日平均3人は僕の知らない営業担当から電話が入ってきて、案件の獲得につながっている。

 クラウド型商材の拡販を目指し、パートナーとして、これまで「Google Apps」のリセラーの開拓に力を入れてきた。今後は、メールセキュリティ対策のニーズが高まっているマイクロソフト「Office 365」のリセラーにも、パートナーになってもらいたい。部下たちには、「担当者の誕生日を調べて、その日に電話して」とアドバイスするなど、人間面での細かい配慮を重視することで、「Office 365」販社との絆を深める。

 ご存じのように、メールセキュリティの業界は、プレーヤーがひしめいていて、競争が激しい。しかし、僕が営業の“哲学”にしているのは、「敵をつくらない」ということ。4人兄弟の末っ子であることも影響しているかもしれないが、これまでのキャリアでは、敵をつくるというよりも相手を味方につける力を磨いてきた。部下たちにも、ぜひ「敵をつくらない」ことを意識しながら、社内外の人と仲よくして、ビジネスの関係を築くことで、厳しい市場環境で勝ち抜きたいと考えている。