北斗七星

北斗七星 2014年9月1日付 vol.1544

2014/09/04 15:38

週刊BCN 2014年09月01日vol.1544掲載

▼父親が医師に余命一年を宣告されてから、三度目の夏が終わった。真夏に命が尽きるはずだった父親は、元気に仕事をしている。ずいぶんと心配したが、今では笑い話になっている。余命宣告は重い。医師には、想定外の患者だったに違いない。

▼病気を治すことが仕事の医師は、想定外で元気になった患者を調べない。完治した要因を把握できれば、同じ病気を抱えた患者を救うことができるかもしれない。そう考えると残念だ。

▼厚生労働省によると、日本人男性の平均寿命は2013年に初めて80歳を超えた。医療費削減を目指す国策もあって、健康を意識した食事や適度な運動は多くの国民に浸透している。ひと昔前とは明らかに違う。“想定外”に病気を克服した患者は、今や平均的な日本人なのかもしれない。

▼この夏、想定外の豪雨が日本の各地で猛威を振るった。観測史上で最多の雨量になれば、過去のデータをもとに整備した河川はもちこたえられない。想定外の豪雨とよくいわれるが、頻発すれば想定内に変わる。これからの災害対策には、過去のデータよりも、直近のデータを使った分析が必要だ。(風)
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