中国の終電時刻は早い。上海の地下鉄には10を超える路線が走っているが、そのほとんどが午後11時前後に終電となる。日系企業の駐在員は、同業者や顧客と夜の会食に出かけることが多いが、ついつい日本本社に対する愚痴話に夢中になったりして終電を逃しがちだ。
しかし、中国では終電を気にする人はそんなに多くない。それもそのはず、タクシーの料金が日本と比べて格段に安いからだ。上海では初乗り運賃が14元(約250円)。地方都市ではさらに安い。雨の日や終電直後はタクシーを捕まえにくいが、日本以上にスマートフォンのGPS機能を活用したタクシー配車アプリが普及しているので、割と楽に帰路につくことができる。
配車アプリは阿里巴巴集団(アリババグループ)が出資する「快的打車」と騰訊(テンセント)傘下の「ディディ打車」がシェアを二分している状況。いずれもタクシーを優先的に配車してもらうためのチップ支払機能や、運転手の評価機能などを提供している。

配車アプリは上海や北京だけでなく、地方都市にも普及。出張で訪れた大連では、アプリを使って簡単にタクシーを捕まえることができた