昨年末に、ある業務ソフトベンダーの経営者の方にインタビューしたときのこと。雑談のなかで、「年末年始は競合他社のテレビCMをいやでも目にしてしまうから気分が悪い」と冗談交じりにおっしゃったのを聞いて、思わず笑ってしまいました。コタツでミカンを食べながら、家族や親戚などとゆっくりテレビを見ていたのに、ライバル企業のイケてるCMが流れたら……。心穏やかではいられないというのは、案外本音なのかもしれません。

 業務ソフトベンダーはプロダクトの紹介CMが多いという印象ですが、年末年始は、グローバル企業からローカル企業まで、期間限定のCMがテレビに彩りを添えます。とくに年が明けてからは、年頭ならではのメッセージをさまざまなかたちで視聴者に伝えるCMが多く、なかなか興味深いと思っています。そんななかで、今年は個人的にグーグルのCMが印象に残りました。

 「サッカーの足技」と入力されたグーグル検索の画面に続いて、難易度の高いリフティングに挑戦したもののボールを踏んで転んでしまう人の映像が出てくるなど、グーグル検索のUIと絡めて、思わず笑ってしまうような「失敗」の風景が連続して映し出されるのですが、最後は「今年も、たくさん失敗できるように。さがそう。」という一文で締めくくられます。失敗を重ねつつも果敢な挑戦を続け、大きなイノベーションを成し遂げてきたグーグルの哲学ともいうべきメッセージが胸を打ちます。

 B2B市場のプレーヤーにとっても、グーグルはもはや対岸の存在ではありません。彼らのイノベーションを市場にどう浸透させていくのかは、2015年の国内IT市場の大きな注目ポイントです。(本多和幸)

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Googleエンタープライズビジネスの最前線 流通を担うパートナーにみる成長のポテンシャル
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.1.6」より