1月上旬、大手の外資系ITベンダー、日本IBMと日本HPの社長交代が注目を集めました。実はもう一つ、大手外資の社長交代の発表があったのですが、こちらはほとんど話題に上りませんでした。中国に本社を置くファーウェイ・ジャパンのトップの交代です。ジェフ・ワン副社長が、2月1日付で代表取締役社長に就任します。
外資といえば、やはり「欧米」のイメージが強いでしょう。しかし、中国やインドなど、アジアのIT企業は、このところ技術力を磨き、日本市場の開拓に取り組んで、外資のこれまでの概念を覆しつつあります。ファーウェイはまさにその代表例。日本ビジネスの売り上げはまだ大きくないのですが、販売網の構築を進め、新社長の下、事業を拡大しています。
「ファーウェイ製品は取り扱ってはいるが、正直いって難しい」。シスコ製品に強い販社や国産メーカー系の販社は、ファーウェイの製品を販売・構築することに関して、ジレンマに直面しています。製品は魅力的だが、従来メーカーとどうすみ分けを図るのか――。販社各社の担当者に話を聞くと、「技術に関しては、まだまだ米国のメーカーが勝る」と口を揃えますが、ファーウェイなど、アジア系のメーカーが将来優位に立つことは考えられなくもありません。
ファーウェイ・ジャパンの社長交代が日本のIT業界でそれほど注目されていないことから考えると、まだ「外資=欧米」の概念は根強いのでしょう。しかし、将来に備えて、早めにファーウェイ製品の位置づけを明確にして、誰に、どんなふうに提案するかを定めておくことは重要かもしれません。(ゼンフ ミシャ)
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ファーウェイ・ジャパン、2月1日付でジェフ・ワン副社長が代表取締役社長に就任メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.1.14」より