▼サッカー「アジアカップ 2015」の日本代表戦をテレビで観戦していたとき、中継の合間に流れた「Surface Pro 3」のCMに引き込まれた。元サッカー部のビジネスマンが、チームワークの大事さを思い出し、同僚や先輩とタッグを組んで商談に挑む内容。3分1秒もある長編CMだが、Surface Pro 3のスペックを紹介する場面は一切ない。主人公が仕事で使うデバイスが、Surface Pro 3であることが流れるだけなのだが、妙にそのデバイスが心に残った。

▼サイボウズが制作したワーキングマザーを題材にした動画広告。働く主婦が家庭とビジネスの両立に奮闘する姿を描いた内容で、昨年12月頃に公開されて「YouTube」では70万回再生されている。こちらもサイボウズ製品の訴求場面はない。「短期的、直接的効果なんてまったく期待していない」と青野慶久社長は笑う。

▼家庭でも仕事でもITは必要不可欠だが、あくまでツールに過ぎない。ユーザーが求める実現したいことを前面に出して、ITがそれを支える。二つのプロモーション映像を観て、改めて、ITの位置づけと役割の大きさを感じた。（鈎）