今日のひとことWeb版

かたちだけの「おもてなし」

2015/02/18 15:26

 スマートフォンを使っている人は、普段、4Gでの通信があたりまえになっているのではないでしょうか。デバイスのスペックに左右されることがあるにせよ、私個人はなかなか軽快に通信できていて、おおむね満足しています。しかし、最近、とくに電車内でスマートフォンを使っていると、不便だなと感じることがあります。

 主要路線の大きい駅では、通信キャリアが自社のユーザー向けに公衆無線LANサービスを提供しています。本来、こうしたアクセスポイントが増えれば便利になるはずですが、現実はどうでしょうか。私の肌感覚では、キャリアの公衆無線LANサービスに接続すると、4Gでの通信よりも明らかに速度が落ちますし、大きい駅ではまともに通信することすら難しく、むしろ通信の阻害要因になっている気がします。Wi-Fiスポットの数をいくら増やしたとキャリア側がアピールしても、有益なサービスとして機能していなければ、その数字には何の意味もありません。

 観光庁の調査では、多くの訪日外国人旅行者が、「無料公衆無線LAN環境が貧弱である」という不満をもっているといいます。これは、2020年の東京五輪に向けて解決しなければならない課題です。しかし、かたちだけアクセスポイントを整備しても、実際に快適に使えるものでなければ「おもてなし」にならないことは、すべての関係者が胆に銘じておくべきでしょう。(本多和幸)

【記事はこちら】
ニッポンのIT政策2015 世界最先端IT国家の設計図

メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.2.18」より
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