つい先日、山形県酒田市の豪商・本間家と、隣接する鶴岡市の豪商・風間家が、江戸時代から伝わるひな人形の所有権を巡って争い、その訴訟が和解したというニュースがありました。もともと風間家所有だったひな人形が、本間家に移ったのは、1950年(昭和25年)のことです。もともと「貸し出す」という約束だったようですが、その後、両者の間で金銭の授受があり、これが「購入費用だった」とする本間家側と、「賃借料だった」とする風間家側が、お互いの主張をぶつけ合ったかたちです。

 なぜ今さらという感もありますし、第三者からみると少々滑稽な印象も拭えないこの騒動ですが、結局、ひな人形の所有権は本間家にあることを確認したうえで、4年に1度、3月の1か月間、風間家に貸し出すことで合意したとのこと。

 クラウドの出現により、ITの資源は、買う、借りるという概念だけではなく、ネットワーク越しのサービスとして「利用する」という考え方が浸透しました。当然、ひな人形は、サーバーのように仮想化して共用することはできないわけですが、貴重な文化遺産を地域で共有し、連携して維持する方向に落ち着いたことは、「ひな人形 as a Service」のインフラができたとして、妥当な和解と評価すべきなのかもしれません。(本多和幸)

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メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.3.3」より