先週号の『週刊BCN』では、グーグルのChrome OSを搭載したノート型端末「Chromebook」の法人向け導入を特集しました。一般企業ではまだ多くが評価段階なのに対し、教育機関では生徒間での共同作業やレポート制作などのため、クラウドサービスの「Google Apps」とあわせて活用する事例が出始めているということです。小中学校ではタッチ操作で容易に扱えるiPadなどのタブレット端末が先行していますが、高校・大学になると、キーボードを搭載して入力作業が容易で、なおかつタブレット端末並みの機動性があるChromebookに分があるケースも多いようです。

 取材の中で印象的だったのが、「学校では企業よりもGoogle Appsのコラボレーション機能が積極的に使われる傾向にある」という販売会社の声です。「IT機器を活用した教育」というと、教科書や副読本などの教材をどう電子化するかという話題がしばしば先行しますが、Chromebookは紙の教科書を置き換えるものではなく、従来であれば図書館で何かを調べたり、黒板や模造紙に発表内容をまとめたりしていたような、調査・研究的な学習の効果を高めるのに役立つツールとして、使われているとのことです。

 学校でのIT活用が進むにつれ、これからは親や先生にもITスキルが求められるといわれることが増えていますが、ITの知識そのものよりも、グループで協力しながら必要な情報を見つけ出す、あるいは説得力のあるレポートを制作するといった作業を指導するスキルが、これまで以上に重要になりつつあります。IT機器が安く便利になったことで、「生徒一人ひとりの力を引き出す」という教育の本質が、さらに問われる時代になったのかもしれません。(日高彰)

【記事はこちら】
文教市場が需要を先取り 開花前夜を迎えたChromebook市場
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.5.27」より