スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器が爆発的に普及し始めた数年前、「PCの時代はもう終わり」といった話がよく聞かれました。確かに、PCやPC用ソフトウェアの開発・製造・販売に携わる企業のビジネス環境は大きく変わり、厳しさを増している部分もあります。しかし、今でもPCが仕事の道具の中心であることは変わりません。誰からともなく発せられる「○○は終わり」というメッセージは、次の時代に目を向けるきっかけとしては、有用かもしれませんが、正確性を欠いていることが多い点には注意が必要です。

 近年、標的型攻撃の被害に遭う企業や団体が相次いだことから、IT業界の一部からは「もはやウイルス対策ソフトは無意味」といった意見が飛び出すこともあります。しかし実際には、ウイルス対策ソフトベンダーと他のベンダーの知見を連携した新たなセキュリティソリューションが次々と提案されているほか、今でもウイルス対策ソフトは、PCに最低限必要な製品であることは言うまでもありません。

 原理的にはマルウェアの活動をネットワーク側で検知・ブロックすることは可能ですが、感染端末で何が起こったのかを正確に把握し、最終的に端末上からマルウェアを駆除するためには、端末にウイルス対策ソフトを導入し、組織で適切に管理・運用していくことが不可欠です。標的型攻撃ではマルウェアが対策ソフトの網にかからないことが多いとはいえ、くれぐれも“ノーガード戦法”を取ることのないよう、お気を付けてください。(日高彰)

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メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.9.16」より