物販中心のビジネスモデルを展開してきた既存の販売パートナーをクラウドに誘導する――。もはやクラウドファーストの潮流からは、どんなITベンダーも(ハイブリッドクラウドを前提としていても、オンプレミスのみに固執することは現実的ではなくなったという意味で)逃れられない情勢になりつつあります。
そこで、パートナーに対しても冒頭の戦略を打ち出すことになるわけですが、いまだに確固たる成果を出すことができた事例は見当たりません。クラウドネイティブなビジネスをしているベンチャー企業ならともかく、オンプレミスのビジネスモデルで成功体験がある販売パートナーは、フロービジネスからストックビジネスに移行するというビジネスモデルの変革により、程度の差こそあれ、売り上げはほぼ低下します。パートナーのクラウドシフトが進まないのは、こうした事情も大きく影響しているでしょう。
まさに物販中心のパートナー網を武器に、法人向けIT市場の支配者として君臨してきた日本マイクロソフトは、クラウド時代の新しいパートナーエコシステムの構築を急いでいます。変革には痛みを伴うわけですが、成長への道はその先にしかないのもまた事実。一時の痛みを避けて、いつまでも変われない駄々っ子の面倒をずっとみてくれるわけではありません。(本多和幸)
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日本マイクロソフト みえてきたクラウドのエコシステム 四類型のパートナー網を整備メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.12.22」より