変化の基本を知り、新ビジネスつくる

 「グーグル保険」。この言葉を聞いて保険会社の関係者は「まさか」と、ぞっとするだろう。デジタルテクノロジーを駆使し、ひと昔前ではあり得ない強敵が、突如出現する。世界のタクシー会社を驚愕させている「Uber」や、ホテル業界の根幹を揺るがす「Airbnb」などのビジネスモデルは、その一例に過ぎない。保険販売にグーグルが参戦したら、窓販も訪販もいらず、ネット上で拡散すれば顧客がつき、保険販売に必要な店舗や人員の経費が不要で料金を既存の競合会社より低額にできる。

 グーグルは、一時米ERP(統合基幹業務システム)大手の買収に動いたことがある。ERPや会計ソフトなどは「広告モデルになる」と、業界が騒然としたものだ。参入障壁の高い業界に新進気鋭のプレイヤーが登場する。いま起きているパラダイムシフトで、将来に渡り影響する変化のうち、知らなければならない事実を事例をもとに解説しているのが本書だ。

 著者は、「Social Design News」という近未来インスピレーション情報のオンラインメディアを運営している。既存の成熟したモデルの出口戦略を含め、次の一手を考えるヒントを与えている。Uberのような次なるイノベーションが起こる前に行動できる支援をしているというわけだ。

 とくに本書では、「社会を変える七つのビジネスモデル」を示している。現在使っている自動車を共有するような「共有経済」や古くなった商品を売買する「交換経済」などがそれだ。パラダイムシフトを早く知り、既存ビジネスを変える参考にしたい。(吾)


『ビジネスモデル2025』
長沼 博之 著
ソシム 刊(1400円+税)