先月、インテルがビジネスPC向け新型CPUの製品説明会を開催しました。米国から来日した同社幹部は、性能の紹介はそこそこにして、「企業用のPCでも、コンシューマ向け製品同様に美しいデザインと薄型軽量を実現する」というメッセージを強調しました。処理の効率を高めた低発熱のCPUをメーカー各社に提供することで、スリムで持ち運びにも便利な、従業員が進んで使いたくなるようなPCを開発しやすくするのがねらいです。

 日本では「レッツノート」や「VAIO」などのすぐれたモバイルPCが企業でも導入されていますが、確かに「法人向けモデル」というと、分厚くて重く、デザインもいかにも「会社用」という地味な印象のものが今でも少なくありません。しかし、「従業員には、場所や時間を選ばずどこでも創造性を発揮してほしい」と考える企業は、仕事の道具であるPCも地味なものではなく、スタイリッシュで手になじむものを選ぶ傾向にあるようです。使い勝手や、支給されることへのありがたみといった点では、これまでの「法人向けモデル」ではなく、コンシューマ市場でも人気の製品でないと従業員を満足させることはできないようです。

 デバイスやアプリケーションの世界では、使いやすいコンシューマ製品をビジネスにも活用する「コンシューマライゼーション」があたりまえになりましたが、とはいえB2B市場で起こる革新もまだまだ健在です。代表的なのは、仮想化やソフトウェア定義型のインフラ技術でしょう。ITの世界では、「C」(コンシューマ)と「B」(ビジネス・法人)の一方の市場でイノベーションが生まれ、形を変えながらもう一方へ浸透していくという流れがありますが、エンドユーザーの手触りに関する部分はC、縁の下を支えるインフラに関してはBの市場で大きな進化が発生するというのが、ここしばらくの傾向のようです。(日高 彰)

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インテル 新世代の「vPro」で セキュリティや協業機能を強化
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2016.6.1」より