私が学生時代にアルバイトしていたお店では、カード会社と提携してクレジットカード機能付きのメンバーズカードを発行していました。カード会社からそれなりの報奨金がお店に入っていたのか、獲得会員数の多い店員には時給とは別に金一封が贈られていましたが、結局、私は一度も報奨対象となることはなく、社会に出る前からセールスの才能のなさを痛感していました。
ところで、店頭で勧誘を行っていたとき、サービスや特典の内容には関心をもってもらえたのに、カードの申込用紙を出した途端、「面倒くさそうだから、やっぱりいいです」と断られるケースが少なからずありました。細かい記入欄が並ぶ書類を見たら誰でも気持ちが萎えるものですが、今から考えると、書式が親しみやすいものだったら、会員の取り逃しをもう少し抑えられたかもしれません。
キヤノンマーケティングジャパンが先日開始した「UCDソリューション」は、このような機会損失を防ぐサービスになるに違いありません。各種帳票のデザインを改善することによって業務コストを削減しようという提案で、同社が加盟するユニバーサルコミュニケーションデザイン協会の事例によれば、納税通知書のデザインをわかりやすくしたことで、市民からの問い合わせを削減できた自治体もあるということです。業務システムの導入効果を高めるには、システムから出力される文書の見た目にも十分配慮する必要があるようです。(日高彰)
【記事はこちら】
キヤノンマーケティングジャパン 帳票デザインのコンサルサービスに進出メールマガジン「Daily BCN Bizline 2016.8.3」より