BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法』

2018/05/30 09:00

週刊BCN 2018年05月21日vol.1727掲載



戦わず勝つ、自己コントロール法を指南


 アホと戦うことは人生の無駄──。本書の冒頭から、著者からの強烈なメッセージが飛び込んでくる。ここでいう「アホ」とは、何かと足を引っ張ってくる人のこと。大企業や政界などに身を置く上昇志向の強い人ほど、競争環境のなかでこうしたアホに出会うことが多いかもしれない。

 著者が本書で伝えていることは、アホと戦わず、むしろアホを取り込んで自分の利にすべきだということだ。そのためには、アホと戦いたくなる気持ちを抑え、いかに自分をコントロールしていくかが重要。著者がビジネスパーソン、政治家として経験した実体験を例にとりながら、その方法をわかりやすく解説している。

 著者がみてきた成功者は、空手より合気道であるという。「正面からの力のぶつかり合いではなく、相手の力を使って相手のバランスを崩し、こちらの有利な態勢にもっていく」。嫌な相手でも、このような姿勢で相対するということだ。合気道経験者として、参考にさせてもらおう。(宙)
 

『頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法』
田村耕太郎 著
朝日新聞出版 刊(1300円+税)
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