▼「どっちのネクタイがいいかな」と、日本マイクロソフトの平野拓也社長が話し掛ける先にスマートフォン。問いかけに反応したのは、機械的な女性の声。同社が開催したイベントのオープニングシーンだ。声の主は、AI女子高生「りんな」。動画と音声を同時に処理することで、リアルタイムのコミュニケーションを実現している。

▼AIは進化を続けているものの、現状では「画像処理」「自然言語処理」「データ分析処理」の三つが主な用途となっている。りんなは当初、テキストベースでやり取りをする自然言語処理と、犬の写真から犬種を当てる画像処理に対応する程度だった。それが動画と音声でのやり取りを可能にすることで、シンギュラリティに向けて一歩前進した。

▼りんなとは対話を楽しむ程度であり、日常の業務では使えないが、最新技術を無償で利用できるところに価値がある。使い込めば、ビジネスでのAI活用のヒントを得られるだろう。

▼平野社長の後に登壇したサティア・ナデラCEOの同時通訳は、人間が対応。その分野のAI開発も進んでいるが、イベントでの利用は時期尚早なのだろう。りんなが同時通訳を担当するのは、いつだろうか。(風)