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SEの柔軟なアサインとAI活用を加速
NECソリューションイノベータ 代表取締役執行役員社長
岩井孝夫
取材・文/安藤章司 撮影/大星直輝
2025/06/16 09:00

週刊BCN 2025年06月16日vol.2063掲載
(取材/安藤章司 写真/大星直輝)
生成AIの登場はチャンスでしかない
――NECグループ内におけるNECソリューションイノベータの位置づけについて、まずは教えていただけますか。当社は従業員約1万3000人を抱えるNECグループ最大のSE会社で、ITサービス事業の中で主にソフトウェア開発や成果物の納品といったデリバリー部分を担っています。私は4月1日付でNECソリューションイノベータの社長に就任するとともに、NEC本体の執行役Corporate EVP兼デジタルデリバリーサービスビジネスユニット長を兼務しています。当社とNECグループが一体となって、ITサービス戦略を遂行しています。
――生成AIの登場で、ソフト開発の手法が大きく変わろうとしています。米国ではプログラマーの採用を抑制し、AIでコードを生成する方向へ軸足を移すといった動きもあるようです。
当社はソフト開発の生産革新の文脈で、長年にわたってさまざまなツールの活用や開発手法の刷新に取り組んできましたが、今般の生成AIの動きは、過去と一線を画するものだと認識しています。生産革新に役立つことは間違いなく、従来の開発手法を破壊的に変革するインパクトがあります。
「プログラムを組む人材が余るのではないか」との指摘もありますが、足元を見ると常に多くの案件を抱えており、国内でこなせない部分は海外オフショア開発に頼っているのが現状です。オフショア開発先の中国やベトナムのSEの人月単価は、すでに日本と逆転するケースもあり、コスト削減の効果は薄れています。生成AIを駆使すれば、国内で可能な開発ボリュームの増加が期待できます。国内は就労人口の減少やデジタル化需要の拡大によりSEが常に払底していますので、生成AIの登場はピンチどころかチャンスでしかありません。当社においても積極的に生成AIの活用を進めていきます。
――海外に外注していた仕事を国内に呼び戻す効果も見込めると。
世界的に見ると就労人口が多い中国やインドは、プログラムのコーディングやテスト工程に大量の人員を投入できる強みを生かしてソフト開発の仕事を引き受けてきた経緯があります。日本で同じことをするのは難しかったのですが、AIによる自動化で労働集約的な要素を排除すれば、これまで中国やインドに頼っていた仕事を国内でこなせるようになることも考えられます。日本のデジタル赤字の圧縮にも役立つのではないでしょうか。
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