昨年12月に金融庁の研究会が出した報告書の中で、ここ数年話題となった「仮想通貨」について、その呼び方を「暗号資産」に変更するという方針が示されました。国際的な議論の場で用いられている表現に日本もそろえるためとのことですが、ここからは「さまざまな問題をはらむ仮想通貨は、とうてい“通貨”と呼べるものではない」という各国金融当局の考えも透けて見えます。

 これに対し、昨年末の記者会見で日本仮想通貨ビジネス協会の奥山泰全会長は「『仮想通貨という言葉にケチがついてしまったので、名前を変えて売り出します』ということは本懐ではない」と話し、仮に法律上の呼び方が変わったとしても、名前を変えてごまかすような売り方はしたくないと表明。ブロックチェーン推進協会の平野洋一郎代表理事は「国や銀行に頼らず価値を自由にやりとりできるのが次の時代。“資産”という貯め込むような単語には反対」とさらに踏み込んで、呼称変更には賛成できない姿勢を示しました。

 両氏とも協会としての見解ではなく、あくまで個人的な考えと前置きしての発言でしたが、社会的に“通貨”と認められる存在を目指したい様子です。昨年は流出事件などで冷え込んだ仮想通貨/ブロックチェーン市場ですが、関係各社は今年を反転の年にしたい考えです。(日高彰)