3月末、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が5Gの商用サービスを開始しました。モバイル環境でも光回線同等の速度で通信できる5Gを、各社とも「世界を変える」テクノロジーとして宣伝してきました。携帯キャリアだけでなく、ITベンダーや政府も、デジタルトランスフォーメーションを牽引し、次世代の社会を支えるインフラとして、5Gに大きな期待を寄せてきました。

 しかし、その割には2010年のLTE導入時に比べて、今回の5Gはかなり地味な滑り出しになっている印象が否めません。新型コロナウイルス禍の影響もありますが、それよりも大きな理由はサービスエリアの狭さ。5Gは超高速な代わり、これまでよりも飛びが悪い周波数帯の電波を使うため、エリアの面的な構築に多数の基地局が必要。各社とも、「エリア」というよりは「スポット」と表現したほうが適当なくらい、現時点で5Gの使える場所が限られています。

 ドコモは5Gでデータ使い放題を開始しましたが、あくまでキャンペーンの扱い。KDDIは、使い放題を銘打ちながらも、テザリングが月30GBを上限としており、光回線の代わりになりません。ソフトバンクは、ひとまず5Gの追加料金を無料とし、実質的に4Gから料金・通信容量を据え置きとしました。5Gでつながるエリアがほとんどない以上、高速だからといって大胆な値上げはできず、完全無制限も導入は時期尚早という判断なのでしょう。当面は「5G体験サービス」の性格が強そうです。(日高 彰)

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