▼3月最後の週末は、東京都心でも満開の桜に雪が積もった。都による外出自粛要請の最中、景色を楽しめたのは自宅の窓から桜が見られる幸運な人くらいだったかもしれない。東京で桜の満開が発表された後に1センチ以上の積雪を観測したのは1969年以来のことだという。

▼週刊BCN編集部は3月半ばから在宅勤務を基本としている。取材もオンラインがほとんどという状況になった。クラウド型のコミュニケーションツールの充実は、取材する側として認識してはいても、実際に活用する場面はそれほど多くなかったのが実情だ。

▼自分たちが記事に書いてきたITソリューションを、いまは自分の仕事に必要なツールとして使い倒さざるを得なくなっている。自らの働き方改革や生産性向上への努力をなおざりにしてきた現実も突き付けられていて、反省している。

▼新型コロナの感染拡大収束はまだ見えないが、“コロナ後”に元には戻らないであろう、もしくは戻すべきではない変化がすでに顕在化しつつある。まずは柔軟な働き方を支えるビジネスインフラとしてのITツールが定着し、桜に積もる雪のようにすぐに消えてしまわないことを祈る。（霹）