AIで生まれる高付加価値な仕事

 「今人間が行っている仕事の○○%はAI(人工知能)に奪われる」--このような言説が聞かれるようになって久しい。ネットを検索すれば、「AIによって10年後に無くなる仕事」といった記事が今でも人気を集めている。一方で、機械学習技術を使いこなすエンジニアやデータサイエンティストなどの職種が注目を集めるようにもなっている。優秀な学生が、新卒ながら高給で雇われるようになったり、今を時めくスタートアップ企業で華々しく活躍したりする様子も報じられている。

 AI時代、デジタルのスキルを持つ者だけが富み、そうでない者はAIに仕事を取られて路頭に迷うしかないのか。

 本書は、そんな悩みに第三の道を提示してくれる。著者は「技術者になるようなスキルはなくても、AIをうまく利用できれば、従来のやり方を踏襲していては考えられないような実績をあげられるケースは多い」と説く。

 「人事×AI」「マーケティング×AI」「営業×AI」といった形で、AIを活用して主業務の成果を向上させることができる人こそが今後は高く評価されるという。このような人材を著者は「AIシナジスト」と呼ぶ。

 本書ではAI導入の成功事例も多数ちりばめられている。一般企業に必要なのはエンジニアよりもAIシナジストであり、「AIを導入するかどうかという選択において、その会社のデジタル基盤が強いか弱いかはほとんど関係ない」という。(螺)
 


『“経験ゼロ”から始める AI時代の新キャリアデザイン』
石角友愛 著
KADOKAWA 刊(1500円+税)