今日は何の日

<今日は何の日>7月6日『サラダ記念日』

2021/07/09 09:00

週刊BCN 2021年07月05日vol.1881掲載

当たり前の日常にある幸せ

 「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」

 恋人がお手製のサラダの味を「いいね」とほめてくれたことへの喜びを「記念日」と表現し、当たり前の日常の中にこそ、幸せがあることを教えてくれる一首だ。
 

 普段の暮らしにおいて「当たり前の日常の中にある幸せ」に気づく機会は少ないかもしれない。しかし、昨今の新型コロナウイルス感染拡大によって、それがどれほど大切なものであったか、素晴らしいものであったかを、あらためて感じている人も多いだろう。

 SNSを使えば、見知らぬ誰かからの「いいね」を大量に集められる現代において、サラダ記念日は「たった一つの『いいね』で幸せになれる」(俵氏)ことを教えてくれる。大切な人から「いいね」と言われる嬉しさ、そして、自分も大切な人に「いいね」と伝えられる喜びをかみしめたい。

 今夜はサラダを作ってみよう。「いいね」と言ってくれる人は、まだいないけれど。(無)


由来
歌人・俵万智氏が1987年に発表した第1歌集『サラダ記念日』収録の表題歌から。歌集は単行本・文庫合わせて280万部のベストセラーとなり、短歌ブームの火付け役となった。
 
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