IBMがIT基盤回りの構築や運用を担う事業部門を“キンドリル”として切り離した狙いについて日本IBMの山口明夫社長に聞きました。IT基盤がAWSなどのメガクラウドに移行する潮流がほぼ見えてきた今、IBMの看板を掲げたままではIBMにとってもユーザー企業にとってもメリットがないと判断したことが背景にあるようです。

 一方で、新しいIT基盤になり得る量子コンピューターの研究に力を入れ、プラットフォームを選ばないOSSのレッドハットを約3兆8000億円で買収するなど、メガクラウドと伍して勝てる可能性がある領域、あるいは協業できる領域には積極的に投資をしています。

 過去を振り返れば、当時まだ売れ筋だったパソコンやIAサーバーを売却して業界をざわつかせました。パソコン事業の売却は、数年後に国内メーカーの“後追い現象”が起きており、今回のキンドリル分社化も、数年後には「あのときのIBMの判断は正しかった」といわれる日がくるかもしれません。(安藤章司)

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ITコングロマリットから“共創”モデルへ 日本IBM代表取締役社長 山口明夫