▼「手のひら返し」。サッカー日本代表の森保一監督に寄せられた批判と称賛をみるにつけ、この言葉が浮かんでくる。

▼森保監督は就任からＷ杯カタール大会までのおよそ４年間、多くのファン、メディアから采配を疑問視され続けてきた。しかし、大会初戦で強豪国のドイツを逆転で下すと空気は一変、手腕を讃える声が一気に広がった。その後もコスタリカ戦での敗北、スペイン戦の勝利と、ジェットコースターのように評価が変わっていったように感じる。

▼ＧＡＦＡに代表されるテック企業が苦境に立たされている。確かに多くの企業で業績が減速傾向となり、人員削減に乗り出すなど、明るい雰囲気とは言えないようだ。世界市場の成長を牽引し、かつてはもてはやす声にあふれたテック企業だが、今は手厳しい意見が浴びせられることも少なくない。

▼ただ、長期的な視点でみれば、やはり成長性の高い企業群である。低迷から飛躍するケースは過去にもあったはずだ。目先の業績、それに連動する株価も大事だが、それに一喜一憂しすぎても仕方ないのは、森保監督への賛否と同じだろう。手のひらをくるくると返し続けても、疲れるのは自分だけである。（無）