今日は何の日

<今日は何の日>4月3日(1911年)『日本橋開通記念日』

2023/04/03 09:00

週刊BCN 2023年04月03日vol.1963掲載

意外に地味な場所?

 日本橋といえば、江戸時代においては五畿七道の基点であり、現代では国道の基点とされている。「すべての道は日本橋に通ず」と言っても、それほど間違いではないだろう。

 ただ、実際に訪れてみると、意外に地味な場所と感じる人は少なくないかもしれない。記者は十数年前に上京して初めて目にした際、なんとも言えない「味気なさ」が印象に残った。

 橋そのものは国の重要文化財に指定されており、ランプを支える台座の「麒麟」像をはじめとする装飾品も素晴らしい。しかし、橋の真上を走る首都高によって場所によっては薄暗く、どこか圧迫感も覚えてしまう。もちろん首都高に罪はない。当時は日本橋の上に通すことが最善の選択であり、最先端の技術が詰まった高速道路は多くの人の心をわくわくさせたであろう。

 現在、日本橋では首都高を地下に通す事業が進められている。主な理由は首都高の経年劣化に伴うリニューアルだが、周辺の再開発と合わせ、景観向上の観点もあり、地下化が決まったようだ。高架の撤去完了は2040年度を予定する。

 先のことはわからないが、生きていれば完成した新たな日本橋から空を眺めてみたい。でも意外に「昔のほうがよかった」なんて思うかも。(無)
 


由来
1911年4月3日、新たに架け替えられた東京の日本橋の開通式が行われた。木造橋から現在も残る石造りの二連アーチ橋に生まれ変わった。初代は1603年に徳川家康によって架けられ、今の橋は19代目にあたるという。
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