北斗七星

北斗七星 2024年3月4日付 vol.2004

2024/03/08 09:00

週刊BCN 2024年03月04日vol.2004掲載



▼2月半ば、暗号資産ビットコインの時価総額が1兆ドルを超えた。1兆ドルの大台に乗るのは2021年11月以来といい、為替変動も加味すると円建てでは史上最高値を更新した。暗号資産は依然として投機的な激しい値動きが継続しているほか、反社会的な行為に関わる決済手段としても活発に利用されており、当初期待されたような法定通貨に代わる存在にはなり得ない。

▼しかし、これだけ多くの""参加者""が集まった市場である以上、数年のうちに消滅するとも考えにくい。となると懸念すべきは、ビットコインのブロックチェーンを運用するのに費やされる電力である。米国では2月、エネルギー省がマイニング業者の電力消費の緊急調査に乗り出し、一方でこの調査は企業の機密情報に恣意的にアクセスするものだとして業者側が訴訟を提起するなど、騒動が続いている。

▼この1年でブームとなった生成AIも、おそらくブームだけで終わることはなく、ある種の基盤として活用は続くだろう。ただ、消費電力の高いGPUに依存する現状の生成AIは、サステナブルな技術と言えるのか。投入したエネルギーに見合う価値を創出できているのか、社会から問われる日は近いだろう。(螺)
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