日本の現在地を分かりやすく

　IT企業を取材していると、グローバルという言葉をよく聞く。米国を中心とする海外勢が存在感を発揮している業界であることが要因の一つと言える。海外の情勢に話が及ぶことがあるが、知識がなければ相手と対等に会話するのは難しい。とはいえ、さまざまな要因が複雑に絡み合う国際情勢を理解するのは簡単ではない。

　本書は、地図やグラフ、イラストなどを用いて、国力の基本指標や経済・財政、政治・外交・軍事、技術・学術、生活・社会、文化・芸術にまつわるランキングを掲載する。

　国力の低下が指摘される日本の世界における現在地を分かりやすく紹介しており、効率的に知識を拡充できる。各項目では、「日本の動向」を一言で掲載しており、この部分と見出しを読めば最低限のポイントが把握できる構成になっているのはうれしい。

　各種ランキングを見ると、世界が大きく動いていることがよく分かる。紙面に登場する世界的なIT企業もいくつか登場しており、影響力の大きさを再認識できるはずだ。本書の内容は、日常のビジネスシーンで話の種にできるし、今後のビジネスのヒントとしても活用できるだろう。（鰹）
 

『地図でスッと頭に入る世界の国力ランキング』
旺文社編集部　企画・編集、鈴木達人　監修
旺文社　刊　1760円（税込）