今日は何の日

<今日は何の日>6月23日(1868年)『世界で普及した「タイプライター」の原型となる製品の特許が取得された』

2025/06/23 09:00

週刊BCN 2025年06月23日vol.2064掲載

キーボードをより速く打鍵するために

 若い記者に「早く原稿を書くにはどうすればいいか」と聞かれたら、「速くキーボードを打てるようになりなさい」と答えている。冗談ではなく大真面目だ。文章を考える時間は短縮しずらいが、打鍵速度は自分の努力である程度高められる。しかし、不規則なキーの位置を指に覚え込ませるには多少の苦労はあるだろう。

 現行のPCのキーボードで主流となっている「QWERTY配列」は、ショールズ氏が考案し、最初期のタイプライターで確立されていたそうだ。なぜこの並びになったかは諸説あり、キー部分の技術的な限界やモールス電信に使いやすい配置などが反映された結果などと言われている。

 技術的な壁はすでになく、用途も変わっているのだから、QWERTYにこだわる理由はあまりない。実際、「Dvorak」(ドヴォラック)や「Colemak」(コールマック)といった代替配列、「JISかな」や「親指シフト」などの日本語特化型の配列も存在する。ただ、デファクトスタンダードのQWERTYを置き換えるまでには至っていない。

 最近ではソフトウェアで多様な配列を試せるようだ。今度からは、冒頭の助言に「自分に合うキー配列を見つけてみては」と付け加えてもいいかもしれない。(無)
 


由来
米国の新聞編集者であるクリストファー・レイサム・ショールズが、タイプライターの特許を取得(商業生産の開始は1873年)。「キーを打鍵して文字を紙に印字する機械」では、別に先行する事例がある。
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