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“テナント入居”でもDC電力効率化対象に

2025/08/01 10:00





 AIの学習などに活用されるGPUサーバーは、電力消費量が大きく、冷却設備にも従来以上の能力が求められます。AIなどの旺盛な需要を受けて、データセンター(DC)向けに必要な電力は今後も増加していくとみられます。

 とはいえ、国内で供給できる電力には限りがあります。このままでは人々の生活に支障が出たり、DC向けの電力を確保し切れず、企業の競争力を削いだりすることになりかねません。経済産業省の資源エネルギー庁は省エネを促すため、2029年以降新設される一定規模以上のDCに対して、稼働後2年経過以降にPUE(電力使用効率)が1.3以下となるように運用する義務を定める方針です。

 各DC事業者は水冷設備を充実させ、将来に向けた技術開発を進めるなど、電力を効率的に使う取り組みを加速させています。サーバーを丸ごと冷却液に浸す「液浸」システムを提供するスタートアップも登場しました。さらに、DCの建物を自社で持たず、「テナント」としてDCに入居してクラウドサービスなどを提供する業者も、一定以上の規模の場合は専有部分のPUEを1.3以下とすることが求められる見通しです。DCにサーバーを預けているベンダーも、省エネ化への対応が必要となりそうです。(下澤 悠)

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増えるDCの電力需要、どう立ち向かうか 現場で進む省エネの取り組み
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