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AI開発、誰が大量のツールの面倒を見るのか
2025/10/03 10:00

独自のAI開発に挑む企業が増えていると言われていますが、その現場ではデータの取り扱いに関して大変な手間が発生しているようです。既存の業務システムからデータを抽出し、データレイクに格納し、学習用のGPUサーバーに接続されたストレージへ移動する、あるいはRAG(検索拡張生成)のためベクトルデータベースを構築するといったように、AI開発におけるデータの加工プロセスは複雑です。
米NetApp(ネットアップ)の調べでは、AI開発においては「平均して7回以上のデータのコピーと移動が発生し、13種類以上のツールが利用されていた」ということです。作業自体の難度が高いのに加え、ツールの多くはオープンソースであり、それらを正しく動作するように組み合わせるとともに、最新のバージョンに保つだけでも開発者にとってはかなり面倒な仕事です。
同社では、AI開発・運用のリファレンスとなるさまざまな技術ドキュメントを用意して環境構築を支援しているほか、今後の製品ではストレージ自体にデータ処理エンジンを搭載し、たくさんのツールを使わなくてもデータをAIですぐ活用できる形にしていくとのこと。DX推進やAI導入では、ツールの管理を誰がするのかも重要なポイントになります。(日高 彰)
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米NetApp、モデルの開発を止めないインフラを提供 データのコピーや移動を最小限に
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