今日は何の日

<今日は何の日>10月6日「築地市場が閉場(2018年)」

2025/10/06 09:00

週刊BCN 2025年10月06日vol.2077掲載

日本の台所から再開発へ

 3カ月前、初めて築地場外市場で食べ歩きをした。訪れていた人の多くは外国人観光客で、店先の新鮮な海鮮を楽しんでいた。
 
 駅から向かう途中、白い塀に囲まれた土地があったが、どうやら築地市場があった場所だったらしい。写真を見ると、道路を挟んで立つビル群と共存して町並みを形成していたようだ。35年の開場から83年間にわたって日本の台所の役割を担い続けたが、7年前に閉場後、建物は取り壊されて大部分は更地になっている。

 現在は再開発が進む。基本計画によると、5万人を収容する屋内全天候型スタジアムやコンベンション施設、ホテル、オフィスなど多機能に整備される。隅田川や築地川、浜離宮恩賜庭園との調和がコンセプトになっており、「水都東京の再生」をうたっている。

 築地はその名の通り、海を埋め立てて築いた土地だ。すると再開発は土台から全て人工物で構成することになる。だからこそ自然との融合が一層欠かせないだろう。2030年代前半に予定されている“まちびらき”。新しいまちの姿が水と緑との調和を体現するとともに、築地市場に劣らない活気を生むことを望んでいる。
(潤)
 


由来
築地市場は東京・日本橋の魚市場と京橋の青物市場が移転し、1935年に開場した。都ホームページによると、1日当たりの入場者数は約4万2000人、入場車両数は約1万9000台。施設の老朽化や手狭さを理由に、2018年に豊洲市場に移った。
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