今日のひとことWeb版

分散型DCで生成AI学習

2025/10/10 10:00





 生成AI関連で需要が高まり続けるデータセンター(DC)は、運用に必要となる膨大な電力の確保が課題です。大規模なDCは災害時のリスクにもなり得るため、注目を集めているのが分散型のDC。小規模なDCをつなぎ、あたかも一つの大きなDCであるかのように運用しようと、関係各社は技術開発や実証に力を入れています。

 NTTドコモビジネスは、通信ネットワークの全ての区間で光ベースの技術を導入する「IOWN APN」を用いた実証実験を重ねています。先日の発表では、広帯域かつ伝送装置不要の技術と、独自に開発したデータ転送ツールを世界で初めて組み合わせ、分散DCの複数サーバー間で高速大容量のデータ転送に成功したとのことです。
 
 同社は模擬的に3000キロメートルの遠距離をつくり、分散したDCでの生成AI学習を実現する技術の新たな実証にも成功。AIモデル学習の所要時間が単一DCで行った場合とほぼ同等、という結果が得られたそうです。こうした技術が一般的に活用されるためには、まだ多くの開発やコストを下げる努力が必要だと考えられますが、実験を重ねて大きなゴールに少しずつ近づいてほしいと思います。(下澤 悠)

【記事はこちら】
NTTドコモビジネス、分散DC間の大容量データ転送、高速化に成功 「IOWN APN」の最新実証を解説
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