今日は何の日

<今日は何の日>11月3日(1906年)「『SOS』が遭難信号として採択された第1回国際無線電信会議が閉幕」

2025/11/03 09:00

週刊BCN 2025年11月03日vol.2081掲載

由来は廃れても

 救助を求める際の言葉として「SOS」は広く知られている。打ちやすく、受信先にわかりやすい組み合わせとして選ばれたと言われている。ただ、遭難信号として採択された当初は、「・・・― ― ― ・・・」というモールス符号が定められたのみで、SOSという通称は固まっていなかったそうだ。

 符号を区切る位置によっては「V7」や「VTB」「EUTDE」とも文字化できるにもかかわらず、なぜSOSになったのか。理由は定かではないが、120年近くが過ぎた現代でも、緊急と言えばSOSとの認識は根強く、語感や耳覚えの良さについては、SOSが最も優れていたのかもしれない。

 99年に新たな遭難通信の枠組みがグローバルで導入されて以降、SOSのモールス信号自体は使われなくなっている。それでも、多くの人々にとってSOSは緊急を伝えるサインだ。災害時に校庭や避難所の屋上にSOSと書かれた様子を見ることもある。また「子供のSOS」「心のSOS」といったように、心理的に苦しいような場面を指す表現としても頻繁に用いられている。

 由来であるモールス信号は廃れても、SOSの持つ重い意味は、これからも認知され続けるだろう。
(無)
 



由来
1906年にドイツ・ベルリンで開催された第1回国際無線電信会議で、世界共通の遭難信号として採択された。発効は2年後の08年7月1日。
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