自分と相手のバランス
記者という仕事をしていながら、説明が下手だと感じる。記事は事前に準備し、構成を考え、推敲を重ねることで、分かりやすい内容に仕立てているつもりだが、急に誰かから質問を受けると、理路整然と答えられない。何から伝えるべきか、どのような言葉を使えばいいか、あれこれ考え、なんだか要領を得ない説明に終始してしまう。
本書では上手な説明のあり方として(1)自分よりも相手を意識する(2)相手がどうしたら分かるのかを考える(3)相手が分かるための順番を考える─の3点を挙げ、「相手中心」のマインドを持つことを勧める。
確かに相手の立場に立って、相手が知りたいこと、疑問に思っていることを把握しなければ十分な説明ができないことは事実であろう。ただ、これに加えて考えるべきは「『自分が相手に分かってほしいこと』を明確にする」ことではないか、とも思う。自分の伝えるべきことを整理できないようでは、相手を中心にした言葉も生まれないはずだ。
新年度が始まり、新たな人員が加わるなどして、説明の機会が増えている人もいるだろう。本書も参考にして、自分と相手のバランスをとりながら、分かりやすい説明の方法を考えてほしい。記者も取り入れて「説明上手」になりたい。(無)
『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』
犬塚壮志 著
サンマーク出版 刊 1650 円(税込)