医療情報オンライン化の歴史と現状を読み解く
マイナンバーで本人確認を行うことで、自身の医療費や処方薬、健康診断の結果、予防接種の履歴などを誰でも簡単にオンラインで参照できるようになった。本書は医療・介護のIT化やオンライン化の歴史と現状を元厚生労働事務次官の編著者と国際社会経済研究所メンバーほかによって体系的にまとめられている。
自身の健康情報をオンラインで確認する仕組みは、全国医療情報プラットフォームの整備と本人確認に使うマイナンバーの普及によって実現したものだ。いわゆる個人健康情報管理(PHR)と呼ばれる仕組みであり、先進諸外国に比べて日本が遅れていた分野でもある。
本書によれば、診療報酬をオンラインで処理するレセプトコンピューター(レセコン)の仕組みを拡張したもので、▽電子カルテ情報の一部▽処方箋▽介護情報▽自治体が保有する予防接種の情報―など4分野を共有できるようになった。
患者本人が確認できるだけでなく、医療機関や薬局、救急隊員、介護事業者など、医療・介護に関わる幅広い関係者が必要な情報を参照できる。本書ではこうした仕組みについて全国の医療・介護の現場、サービスを提供するITベンダーに取材し、実際の活用状況や課題を克明にレポートしている。(寶)
『未来をつくる医療DX・AI最前線』
大島一博 編著
プレジデント社 刊 1980円(税込)