沖縄の風を運ぶビール
沖縄県で飲む「オリオンビール」が大好きだ。さっぱりとした味わいと、心地良いのど越しが暑い気候によく合う。本書では、そんなオリオンビールが愛され続ける理由について、同社の村野一社長が分析している。
ブランド戦略の根幹にあるのは、沖縄県民に愛される存在であることだ。地元が強固な顧客基盤になることはもちろん、観光客にとっては現地の日常が特別な体験になる。また、旅行後はコンビニやスーパーで商品やロゴ入りのTシャツなどを目にすると、沖縄を思い出す。この「沖縄=オリオンビール」という結び付きが事業の成長を支えているという。記者自身、自宅や居酒屋で飲むと沖縄での思い出がよみがえり、特別なおいしさを感じるため納得感がある。
オリオンビールは2025年9月、東京証券取引所プライム市場に上場した。初日の終値は1950円と公開価格の約2.3倍だったが、約1年後の現在は1100円台で推移している。IPOは一つの目標になり得るが、その後も事業は続く。今後もおいしいビールを安定して提供し、成長し続けるためには、「これからどう愛されるか」を考え続けることが重要だ。次の戦略として、県外に続き、海外へ経済圏を広げようとする姿勢にも注目したい。(駄)
『オリオンビールはなぜ愛され続けるのか』
村野 一 著
幻冬舎メディアコンサルティング 刊 1760円(税込)