デジタルカメラ市場が、再び混戦状態に突入している。2001年10-12月期の家庭用パソコンの販売台数がいまひとつ盛り上がりに欠けたなか、デジカメだけは好調に推移している。BCNランキングにおけるデジカメの総販売金額は、前月比で01年10月が105.2%、11月が109.8%、12月は138.0%と伸びた。01年09月を100%とすれば、12月は159%の伸びとなる。パソコン販売店でも、店頭1階の目立つ場所にデジカメを並べている店舗が多く、まさに“売れ筋商材”となっている。それだけに、メーカー各社は、デジカメ開発に心血を注ぎ、激しいシェア争いを展開している。

価格競争は当分続く

 「価格競争が激しく、売価を下げざるを得なかった」――。富士写真フイルム、キヤノン、ソニーと、激しいシェア争いを展開するオリンパス光学工業・小島佑介執行役員映像営業本部長の弁である。

 オリンパスのデジカメ部門は、今年度(2002年3月期)見通しで1350億円(前年度比26.5%増)を売り上げる好調ぶり。銀塩カメラの今年度見通し615億円と比べて、デジカメの売り上げは突出している。

 ところが利益面では、銀塩カメラの黒字に対し、デジカメは112億円の営業赤字となる見通しだ。デジカメで勝ち残るために、各社ともに価格競争を推し進め、結果的に赤字を出すことになった。デジカメで先行するオリンパスでさえ、厳しい状況にあることを考えれば、競合他社の台所事情も苦しいことは想像に難くない。

 


 01年12月(月次)の各社のシェアは、富士フイルムが台数シェア19.8%(金額シェア17.6%)、オリンパスが同16.5%(同17.0%)、キヤノンが同16.1%(同19.9%)、ソニーが同15.0%(同21.1%)、ニコンが同6.4%(同7.7%)、カシオが同4.7%(同2.6%)、松下電器産業が同2.3%(同2.7%)と競争が激化。どこがトップシェアを獲ってもおかしくない状況だ。台数シェアでは富士フイルムがトップだが、金額シェアではソニーがトップとなった。12月月次の機種別ランキングでも、ソニーのサイバーショットDSC-P5(平均単価6万6300円)が台数シェア8.85%、金額シェア13.36%でトップに立っている。台数シェアはトップ3社に及ばずとも、金額シェアでトップを獲るソニーの“したたかさ”が改めて浮き彫りになった。

 金額シェア2番手はキヤノン、3番手は富士フイルムとオリンパスがほぼ拮抗している状態。一方、機種別シェアの2番手は、キヤノンIXYデジタル200(同4万6300円)で台数シェア5.06%、金額シェア5.33%。3番手はニコンクールピクス775(同4万2500円)で台数シェア4.63%、金額シェア4.47%を占めた。現在、デジカメ市場は、台数シェアで1%以上あるメーカーだけで12社もあり、このなかには、機種別ランキング第3位のヒット商品クールピクス775を出すニコン、独ライカと提携した松下電器、コンパクトデジカメで先駆け的存在のカシオ、今年2月6日に世界最小・最軽量・最薄型の光学3倍ズーム「ディマージュX」(希望小売価格7万2000円、当初月産台数5万台)を出すミノルタ、ほかにも光学機器に強いリコー、オリンパスのデジカメ生産の一部を受託する三洋電機など、実力派競合が肩をぶつけ合う。

 これだけの面々が揃えば、技術開発競争以上に、価格競争になるのは必至。オリンパスの小島本部長は、「来年度(03年3月期)の国内デジカメ販売見通しは、前年度比30%増の650万台、金額ではギリギリ2ケタ増という感触。価格下落が激しく、台数は伸びても金額はそれほど伸びない。IT不況のなかでも珍しく伸びている分野で、各社が再度、新製品を投入し始めている。このため製造コストを削減し、価格競争力をつけないと、ほんとうに命取りになる」と気を引き締める。 (安藤章司)