検証ECビジネス ネットショップのその後

<検証ECビジネス ネットショップのその後>第9回 ムラウチ

2002/09/02 16:51

週刊BCN 2002年09月02日vol.955掲載

物流業務を効率化 サービス向上で顧客を確保

 ムラウチ(村内信弘社長兼CEO)は、ネットショップ「murauchi. co.jpオンラインショップ」の物流体制を強化する。同社は、年内までにサイト専用の倉庫を設け、サイト用の在庫を確保。03年早々には、サイトで受注した商品がそのまま売り上げとして計上できるシステムを構築し、梱包から出荷までの時間短縮による物流業務の効率化で顧客の囲い込みを図る。

 EC営業本部の矢澤克哲執行役員は、「サイトビジネスは、新規消費者を増やすことも重要だが、一度購入したことがある顧客を再び当社のサイトで購入させることが、売上高を増やすカギとなる」と強調しており、「納期短縮を徹底し、サービスレベルの向上に注力する」としている。

 納期は2日以内が原則。「現在、受注から出荷までの時間は平均で6時間かかっている。そこで、サイト用倉庫の設置やシステムのリニューアルにより、15分で出荷できる体制を整える。これで確実に翌日納品を実現する」という。EC営業本部の人員は55人弱。物流体制の効率化は、梱包や出荷にかかっていた人員をサポート分野などにシフトすることもできる。

 サイトでは約3万アイテムを揃える。アクセス数は1か月間平均で360万ページビュー。ユーザーは20代後半から30代前半が大半で、8割が男性だ。ユニークユーザー数は20万人を超える。インターネットショップについて、矢澤執行役員は、「消費者の購入意識を高めるためには、サイトのデザインやコンテンツにこだわるよりも、顧客への付加価値サービスを高めることが重要となる」と指摘する。

 サイトで購入するユーザーは、その92%が東京・八王子市以外に在住する消費者。八王子本店は八王子市在住の消費者を取り込んでいることを考えると、サイトは、新規顧客を開拓するものとして、同社の第2のビジネスの柱となりつつある。「実店舗では、親子3代にわたって家電やパソコンなどを購入する家族もいる。サイトでも、顧客を確実に囲い込むようにサービスレベルの向上を目指す」と意気込む。02年度は、約45億円の売上高を見込む。(佐相彰彦)
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外部リンク

http://www.murauchi.co.jp/