店頭流通

TDK キズや汚れに強い「超硬DVDディスク」 指紋付着せず、ふき取り楽

2002/12/23 17:00

週刊BCN 2002年12月23日vol.971掲載

 TDK(澤部肇社長)はDVDディスクの新製品として、キズや汚れに強い「超硬(スーパーハードコート)DVD」を発売した。普及軌道に乗った記録型DVDだが、ユーザーの間から要望が強いのは、「もっと気楽にディスクを取り扱えないか」(南雅之・商品開発部マーケティングコミュニケーション課長)という点だった。新製品は、「一般的なDVDディスクに比べ約100倍の強さをもっている」という。

 DVDはCDに比べ記録密度が高まっている分、トラックピッチも格段に狭い。このため、キズや汚れ、指紋などによって正常に再生できないというトラブルが増加している。それを避けるためには、一部のDVD-RAMが採用しているカートリッジ化などが必要だった。

 ディスク表面にキズや汚れがつくのは、ドライブやレコーダーにセットする際、埃などを拭き取る際など、不可抗力的に発生することが多い。「取り扱いに注意しても、キズや指紋の汚れなどは避けられない。大切なデータであるほど、読み出し不能になったら困る。CD並みに、ある程度気楽に取り扱えるディスク」(南課長)を目指して開発した。

 同社はこれまでの技術蓄積を生かし、「ナノテクノロジー技術により、超微細なガラスビーズをDVDの盤面に均一に塗布する技術を確立し、ハードコート処理」を可能にした。

 摩耗試験による結果では、「キズに対してはこれまでの100倍は強いことを実証した」。また、潤滑性が向上してるため、「汚れが付きにくく、ついた際のふき取りもスムーズ。指紋もつきにくい。同じように指紋をつけたディスクで試験した結果、エラーの発生率は10分の1だった。指紋に対しても10倍以上強い」という。

 録画用としてDVD-RとDVD-RW用2製品、データ用でも-Rと-RWの2製品を発売した。価格はオープンだが、DVD-Rで780円、DVD-RWで1000円程度を想定している。

 「DVDディスクは低価格化の方向を辿っているが、当社のハードコートDVDは、大きな差別化手段をもっているので、多少高くても売れる」と見ている。
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