店頭流通

東芝 コンセプトは“Comfort Quality” ロゴ一新でブランド普及へ

2002/12/30 18:45

週刊BCN 2002年12月23日vol.971掲載

 東芝は、ノートパソコン「ダイナブック」に“Comfort Quality(コンフォートクオリティ)”という開発コンセプトを加え、さらにブランドのロゴを一新する。2003年以降の新製品に順次展開する計画だ

 同社の顧客層は、ビジネスマンやパソコン上級者が比較的多かったが、ブランドロゴの一新により新しい顧客層を開拓していく。来年以降に新しいライフスタイルを提案するノートパソコンを発売する予定だ。パソコン市場が踊り場を迎えるなか、新しいカテゴリーの製品を創造し、コンシューマ向けノートパソコン市場でシェア拡大を図る。

 “Comfort Quality”という開発コンセプトの付加やブランドロゴの一新は、ノートパソコン「ダイナブック」ブランドの普及・浸透を強化する狙いがある。PC事業部PC営業推進部の長嶋忠浩部長(=写真)は、「国内パソコン市場においては、踊り場にある市場の活性化、新カテゴリー製品の創造、国内コンシューマ向けノートパソコン市場でのシェア拡大という3つの課題がある」と指摘し、「これまでの顧客に加え、新しい顧客を獲得することが重要だ」と語る。

 同社では、全国約6000人を対象にマーケティング調査を行い、パソコンに対するニーズで市場をセグメントして分類した。デスクトップ並みのパフォーマンスやモバイルなどのニーズをもつ「ビジネスニーズ層」、目的にあった機能・性能でパソコンを購入する「ハイリテラシー層」、パソコンを生活のなかでツールとして活用するニーズとセンスが高い「ライフスタイルニーズ層」、利用目的や機能・性能がスタンダードであることを重視する「スタンダードニーズ層」の4つのセグメントとした。

 「ビジネスニーズ層」や「ハイリテラシー層」は、ダイナブックを購入する可能性が比較的高い。そのため、「ライフスタイルニーズ層」を戦略的ターゲットと位置づける。長嶋部長は、「『ライフスタイルニーズ層』は、目的に合ったスペックでパソコンを選ぶほどではないものの、会社や学校などでの使用経験もあり、パソコンをどう活用できるかという感覚は高い。しかも、パソコンを使う機会が増えるにともない、『自分に合った親近感のあるパソコンがない』と意識し始めている。そこに獲得するチャンスがある」としている。「スタンダードニーズ層」については、「パソコンリテラシーが同程度な『ライフスタイルニーズ層』の影響を受けやすい。『ライフスタイルニーズ層』にダイナブックが浸透していけば、需要が広がるのではないか」と分析する。

 開発コンセプトに関しては、「これまでのモビリティ、パフォーマンスという物性的価値に加え、Comfort Qualityという感性的価値を与えられる商品を開発していくことにより、新しい顧客層の獲得につながる」と強調する。ブランドロゴのデザインは、グラフィックデザイナーの篠崎正典氏と同社のデザインセンターとの共同により開発。同社の「Comfort Quality」という開発コンセプトを一層明確に表現したデザインに仕上げた
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外部リンク

http://www.toshiba.co.jp/