店頭流通

FJP 「らくらくパソコン」のサポートを強化 約4200の地域家電店が支援

2003/09/01 18:45

週刊BCN 2003年09月01日vol.1004掲載

 富士通パーソナルズ(FJP、瀬井秀社長)は、初心者を対象に販売している「らくらくパソコン」のサポートを強化する。インターネットを活用した同社の会員制取引システム「FITS」に加盟している約4200の地域家電店と共同でサポートを行っていく。同社では地域家電店と連携したサポートを強化することで、潜在需要を掘り起こしていく方針だ。

 油谷榮一・取締役営業本部副本部長は、「らくらくパソコンの拡販には、地域密着型の販売が重要だ」としており、今年の冬商戦からは、「FITS」に加盟している約4200の地域家電店との協業を強化し、加盟店と共同でサポートを行う。

 らくらくパソコンは、デスクトップパソコン「FMV」をベースに、「2度の訪問サポート」と「簡単操作・親切設定」を付け加えた同社のオリジナルモデル。高齢者をはじめとした初心者がパソコンを安心して使えるようにするために開発した。

 「2度の訪問サポート」では、サポート担当者が購入者の自宅を訪問してパソコンの設置や設定を行ない、パソコンの基本的な使い方を説明する。1回目は約90分間。周辺機器の接続や初期設定を実施する。アフターサポートとして、1回目の訪問から30日間、電話や電子メールでの問い合わせに24時間年中無休で対応する。

 2回目は、1回目と同じ担当者が再度訪問し、約60分間で顧客のニーズに合わせたカスタマイズや不明な点を説明する。

 「簡単操作・親切設定」は、起動後の操作を分かりやすくするために、電源を入れるだけで「@メニュー」という画面を自動的に表示し、目的にあった項目やアイコンを選択することができる。

 また、同じボタンを長く押した時に起こる入力ミスを防ぎ、円滑なキーボードの操作を可能にした。さらに、文字やアイコンの画面表示サイズの拡大、シングルクリック(1度押し)のマウス操作などを採用している。

 前回のモデルは、「FMV-DESKPOWER L20C」をベースに今年1月17日に発売したものの、「販売台数は、約3か月間で200台強だった」と、予想より少なかった。また、サポート体制が充実していなかったことで積極的な販促活動に踏み切れなかったという。サポートが充実すれば、「1か月間で1000台以上は固い」と自信をみせる。

 同社では、「政府が打ち出しているe-Japan戦略Ⅱにより、パソコンの利用頻度が増える。なかでも、高齢者のパソコン需要はますます増加するだろう。地域密着型の販売・サポートを強化することが潜在需要の掘り起こしのカギだ」とみている。
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