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パソコンの販売動向

2003/09/08 16:51

週刊BCN 2003年09月08日vol.1005掲載

9月商戦は消極策目立つ

東芝と松下の戦略分かれる

 9月商戦は、デスクトップ、ノートとも出荷を抑える傾向が強まっている。10月以降の秋冬モデルの登場を控えているのに加え、パソコンリサイクル施行前のタイミングが重なったためだ。10月以降はリサイクル料金が価格に加えられるため、9月末までの駆け込み需要が期待されたものの、現時点で目立った動きはない。メーカーも「駆け込み需要はないだろう」(NEC)と見ている。

 NEC、富士通、ソニーとも夏商戦のピーク以降の出荷数を軒並み絞っており、松下電器産業に至っては商品供給が少なすぎ、店頭に商品が並んでいないケースが目立つ。駆け込み需要を期待しつつも実際には在庫を抱えてしまうことを恐れて、出荷台数を絞り込んでいるようだ。一方、東芝は逆に出荷台数を増やしている。他社が商品を絞り込むなか、あえて出荷を増やすことで商機を捉える戦略だ。「端境期に商品を潤沢に入手できる東芝は頼もしい」(販売店)との声があがる。

 8月25-31日までのノートパソコンの週次集計によれば、東芝の台数シェアは、NECの21.4%に次ぐ20.0%で第2位。3位のソニー(15.5%)を大きく引き離す。8月上旬の東芝の台数シェアは、ソニーに次ぐ3位だった。ソニーが出荷を抑え、東芝が積極的なシェア拡大策を推進している構図がはっきりと出た。8月25日から1週間のデスクトップを見ると、NECの台数シェアが31.4%、富士通が20.4%、ソニーが18.4%と、突出した動きは見あたらない。同期間のデスクトップとノートを合わせたパソコン全体の台数シェアでは、NECが25.0%、富士通16.9%、ソニー16.6%、東芝12.6%、シャープ8.4%と続く。10月以降は、各社とも新製品を投入する見込みで、再び全体が活性化するものと見られる。
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