店頭流通

東芝 PC初心者向けに、ギガビートを拡充 低価格・単機能の新製品を計画

2003/12/22 18:45

週刊BCN 2003年12月22日vol.1020掲載

 東芝(岡村正社長)がHDD(ハードディスク)搭載の携帯オーディオプレーヤー「ギガビート」に、簡単操作と低価格が特徴の新機種を追加発売する準備を進めている。現在発売中のギガビートは1機種のみで今後、ラインアップの拡充で初心者を取り込んでいく考えだ。携帯オーディオ市場では、アップルコンピュータが「iPod」で圧倒的なシェアを誇っている。そんななか、同社では、既存のMDプレーヤーやポータブルCDからの買い替え需要を掘り起こすことでシェア拡大を図っていく。

 東芝のギガビートは、ほとんどがパソコンマニアや上級者がユーザーとなっている。加茂朗・映像システム事業部映像システム企画部事業推進担当課長は、「裾野を広げるためには、パソコンに取り込んだ音楽データを携帯オーディオに書き込めるメリットを訴えていかなければならない」と話す。

 そのため、操作が簡単で価格がMDプレーヤー並みの2万円程度とした新製品の発売を計画。「ラインアップの拡充で購入者層を広げていく」としている。発売時期は未定だが、今後早急に詰めていく。

 今年10月に発売したギガビートの出荷台数は、「当初、約5000台と好調だった」ものの、「初回をピークに出荷台数が減少している」という。現行モデルについては、陳腐化させないためにも「3-6か月間に1回のペースでモデルチェンジを行っていきたい」と、新機種追加だけでなく短期間での製品開発も行っていく。

 東芝と同様に、HDD搭載の携帯オーディオを発売しているのはアップルコンピュータだ。同社は、Macに加えてウィンドウズにも対応した「iPod」で、アップルユーザーだけでなくウィンドウズユーザーにも対象を広げている。これにより、携帯オーディオ市場では圧倒的なシェアを維持している。

 ウィンドウズユーザーがiPodを購入するケースが増えれば、ギガビートの販売増加にダメージを与え、シェアが伸ばせないという危険性もある。そのため、新需要の開拓が急務になる。

 店頭での拡販策については、ノートパソコン「ダイナブック」と合わせた展示コーナーを設け、“ダイナブックの周辺機器”をアピールするほか、携帯オーディオでの音楽の楽しみ方を提案したPOPでパソコン初心者の購入を煽る。

 将来的には、MD、CDプレーヤー売場での販売を視野に入れる。また、音楽レーベルと提携して、音楽配信サービスへの参入も計画している。
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