店頭流通

インターコム アンラボと提携し、セキュリティソフト販売 企業向け限定で6製品

2004/02/16 18:45

週刊BCN 2004年02月16日vol.1027掲載

 インターコム(高橋啓介社長)は、セキュリティソフトを1月下旬から販売開始した。韓国セキュリティソフトベンダーのアンラボ(アン・チョルス社長)と販売代理店契約を結び、企業向けに限定してウイルス対策ソフトを含めた6製品を、直販と2次代理店による間接販売の双方で販売していく。インターコムのセキュリティ事業はこれまで、ASP型のウイルスチェックサービスを行ってきたが、パッケージソフト販売はこれが初めてとなる。ドキュメントセキュリティ関連ソフトの販売もすでに検討開始しており、セキュリティソフト市場進出を機に、セキュリティ事業を本格化させていく。

 インターコムは2002年4月に、ASP型のセキュリティサービス「シルディアンネットサービス」を開始し、セキュリティ市場に参入した。同サービスは、これまでISPを中心に約15社への導入実績を持つ。その間、ユーザーからはソフトベースでの提供についても引き合いが多かったことから、1月下旬にアンラボと販売代理店契約を締結し、セキュリティソフトの販売に踏み切った。

 今回発売したソフトは、ウイルス対策ソフトを中心に6製品を揃え、初年度約2億円の売り上げを目標としている。

 まずは、インターコムの企業向け主軸商品である業務通信ソフトなどの顧客に拡販を図る方針で、既存の直販営業体制やパートナーを通じて販売していく。ただ、新規顧客獲得のための組織体制の見直しやパートナーの再構築は当面考えていないという。

 上田秀雄・企業情報システム事業部eセキュリティ・ソリューション部統括・営業部担当部長は、「セキュリティソフト市場はシェア争いが厳しいが、企業向けならこれまでインターコムが他のジャンルで受注してきた実績を生かせるし、パートナーも活用できる」と、企業向けの方がコンシューマ市場よりも大手セキュリティベンダー3社に対抗しやすいと見ている。

「セキュリティソフトはすでに他社製品を導入済みの顧客が大半」(上田担当部長)と、他社からの乗り換えが中心になることを想定し、価格設定では乗り換えモデルを通常版に比べ約40-50%安価な設定にしている。

 また、アンラボ製品の特徴として、IT資産情報管理ソフトを標準添付しており、「他社ソフトではセキュリティの管理しか行えないが、アンラボのソフトはハードウェアや他のソフト情報も管理できる」(同)部分でもアピールしていく。

 今後は電子文書の管理機能などを提供するドキュメント管理ソフトの販売も検討を始めており、セキュリティ市場において、カバーするジャンルを広げていく。
  • 1